育てているのに、辞めていく
丁寧に仕事を教えているつもりだし、裁量だって与えている。職場の人間関係も決して悪くない。
それなのに、ある日突然、若手が「退職届」を持ってきた。近年、多くの企業から聞こえてくる、切実な悩みです。
いまの新卒や若手社員は、「成長実感」や「横のつながり」を何より重視すると言われます。給与の高さや会社の安定性よりも、「ここにいて自分は伸びるのか」「この職場に自分の居場所はあるのか」という手応えを求めている。育成する側からすれば、「昔に比べて、なんだか掴みどころのない基準だな……」と戸惑うのも無理はありません。
ですが、ここで一度立ち止まって、その言葉を見つめてみてほしいのです。「成長実感」も「つながり」も、どちらもカギカッコがついた「感情の言葉」です。若手の定着や戦力化というテーマは、研修のカリキュラムや人事制度をこねくり回す以前に、「日々の職場で、彼らの感情がどう扱われているか」という、もっと生々しい話なのです。
「成長していること」と「成長を実感していること」は、全くの別物
多くの現場で起きているミスマッチを紐解くために、まず区別しておきたいことがあります。
「成長」そのものと、「成長実感」はイコールではない、ということです。
ぶっちゃけて言えば、入社して1年も経てば、どんな若手も確実に成長しています。3か月前ならパニックになっていた調整をサラッとこなし、前なら付きっきりで教えていた仕事を一人で回している。ところが、「本人にはその自覚が全くない」というケースが少なくないのです。
毎日の業務に追われていると、自分の変化は自分では見えません。「できないこと」や「叱られたこと」ばかりが記憶に残り、できるようになったことは、誰かが言葉にしてくれない限り、本人の中で「実感」として蓄積していきません。
つまり、客観的にはどれだけ成長していても、本人の胸の中にその実感がなければ、「ここにいても私はすり減るだけで、成長できない」と絶望して辞めていく。これが、「育てているのに辞めていく」という悲しいすれ違いのからくりです。
だとすれば、私たち上司や先輩の役割はとてもシンプルです。本人には見えない小さな変化に気づき、それを生きた事実としてフィードバックすることです。

「3か月前、このトラブルが起きたときは私が間に入ったよね。でも今日は、一人でリカバーまで通せたね」
上べだけのお世辞や抽象的な評価はいりません。「日付」と「出来事」で語る。
この具体的なファクトこそが、若手の心に「あ、私、ちゃんと前に進んでるんだ」という深い実感として残ります。
相手をよく観察し、微細な変化に気づき、最適なタイミングで言葉にして返す。これは、EQ(感情知性)そのものの働きです。育成スキルというと指導法やノウハウばかりが注目されますが、若手が残ってくれる職場で本当に効いているのは、教える技術よりも、この「気づいて、言葉にする」大人の目線なのです。
「つながり」は、飲み会の回数のことではない
もう一つのキーワードである「つながり」も、非常に誤解されやすい言葉です。懇親会を増やしたり、メンター制度を形だけ整えたり、社内イベントを企画したり。どれも悪くはありませんが、彼らが本当に求めているつながりは、接点の多さとは別のところにあります。
「自分の今の状況や、しんどい気持ちを分かってくれている人が、この職場にちゃんといる」という安心感です。
週に一度の1on1でマニュアル通りに近況を聞かれるより、修羅場のピークが去った金曜日の夕方に、「今週のあの案件、本当によく踏ん張ったよね。きつかったでしょ」と一言ボソッとかけられる方が、つながりの実感は遥かに強くなります。回数や制度といった「仕組み」ではなく、「私のことを見てくれているか」という「体温」。ここでもやはり、相手の感情に気づく力が土台になっています。
急がば回れ、が即戦力化の最短ルート
「早く一人前にしなきゃ」と焦るあまり、とにかく業務を詰め込み、振り返る間もなく次の仕事を渡す。
よくある光景ですが、実はこれが一番の遠回りです。
実感のないままタスクの量だけをこなさせられた若手は、いつまで経っても自分に自信が持てません。そのため、新しい挑戦を過剰に恐れるようになり、不安を抱えたまま報連相ができず、同じミスを繰り返すようになります。
逆に、できるようになったことを丁寧に言葉にしてもらえる若手は、その自信を足場にして、自ら次の挑戦に手を伸ばします。
結果として、戦力化はこちらの方がかえって早く進みます。
若手がぐんぐん立ち上がる組織には、共通点があります。それは上司の教え方のうまさよりも、「変化に気づいて、それを言葉にしてくれる大人がすぐそばにいること」です。ただそれだけです。
成長実感もつながりも、若手が一人で自家発電してくれるものではありません。どちらも、周囲との関係性の中でしか生まれない感情です。まずは明日、目に入った若手の小さな変化をひとつ、言葉にして本人に返してみてください。その一言の積み重ねが、辞めない理由になり、伸びていくための足場になります。
EQとは何か
「JapanEQ」とは何か
EQは後天的に育成可能なスキルですが、目に見えない感情の改善は容易ではありません。そこで、日本人の思考・行動特性に最適化したEQツールが有効です。私たちは、日本人特有の思考様式・文化背景・組織風土に対応した独自のEQシステムを開発しています。
EQシステムについてはここから
「Japan EQシステム」
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EQ組織OS(人的資本とEQの関係 )
EQ組織力強化
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EQ導入 まずはここから
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高いレベルのEQを活用したコーチングスキルを身に着けるプログラム。仕上げとして、EQコーチ認定試験と資格授与を行います。
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課題意識を持つ管理職が主体となり、現場から始められるマネジメント実践パッケージです。EQを組織として育成・定着させます。
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EQチームパック
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やる気と成果に満ちた職場づくり
「製造現場向けEQ」
いま製造現場に求められているのは、最新の設備や技術だけではありません。不可欠なのは、人の「感情知能=EQ」を理解し、育成することです。
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