先日、東洋経済オンラインで、私の経験を取り上げた記事が公開されました。
前編:IQ130超の女性が経験した、幼少期からの生きづらさと半生
後編:「本当の自分は理解されない」と感じていた女性が、自分を理解することで見えてきたこと
私が取材を受けようと思ったのは、過去の苦しみを訴えたり、つらかった経験を語ったりすること自体が目的ではありませんでした。困難を経験した一人の人間が、今、どのように考え、どう生きているのか。それを伝えることで、今まさに悩みや困難を抱えている人に、これからの自分のあり方を考える一つのきっかけになれば。そんな思いがありました。
記事には多くの反響がありました。
特に印象的だったのは、記事への感想というよりも、「自分も同じような思いを抱えてきた」「今、まさに困難さを感じている」という声がたくさん寄せられたことです。子育て中の親からも、子どもとの関わりに悩んでいるというコメントが多くありました。
それを読んで、改めて考えました。
人は、自分のことをわかってもらえないと感じながら、仕事をしたり、子育てをしたり、日々の人間関係のなかで過ごしていることが少なくないのかもしれない、と。
わかり合えないことから生まれる摩擦
私自身、これまでの人生で、周囲の人とうまく分かり合えず、苦しさを感じることがありました。
今振り返ると、その背景には、自分自身のことを十分に理解できていなかったことも、周囲の人が私を理解するための手がかりを持っていなかったこともあったのだと思います。
私たちは、自分自身についても「自分はこういう人間だ」と思い込んでいたり、相手についても、目に見える言動だけで判断してしまったりすることがあります。けれども、実際には、その人の内面や行動の背景まで、簡単にわかるものではありません。
そして、相手にも相手なりの事情や価値観があります。
こうした理解のすれ違いは、決して珍しいことではないと思います。お互いについてもう少し深く知ることができていたら、避けられた摩擦もあったのではないか。そんなふうに感じています。
家族でも、職場でも同じです。
大人になり、さまざまな人と出会い、関わるなかで、考え方や感覚が通じ合う人との間に安心感を覚える一方、自分とは異なる考え方に出会う面白さも知りました。そして、どれだけ言葉を尽くしても、思いが通じないことのもどかしさも経験してきました。
違いがあることは、面白いことです。自分にはない視点を知ることができますし、そこから新しい発想が生まれることもあります。
一方で、互いの思いや意図がうまく伝わらず、すれ違いが続くと、知らず知らずのうちに疲弊してしまうこともあります。違いそのものを否定するのではなく、それぞれの個性や価値観を尊重しながら、思いや行動のすれ違いによる負担を少しでも減らしていくことも、よりよい関係を築くうえで大切なことだと思っています。
自分と人への理解を深める、EQという視点
私がEQに出会い、JapanEQを学ぶようになったのは、こうした人と人との関わりの背景を、深く知ることに面白さを感じたからです。
EQは、“感情に関する知性”です。JapanEQでは、自分自身の感情や行動に関わる心内知性、人とのコミュニケーションに関わる対人知性、そして組織や社会のなかでの関わりに関わる社会知性という視点から、人の特性や行動を捉えます。
人を一つの特徴だけで捉えるのではなく、さまざまな側面から理解していく。自分自身についても、周囲の人についても、これまで気づかなかった一面が見えてくる。私にとって、そこがとても興味深いところでした。
自分はどんな場面で力を発揮し、どんな場面でつまずきやすいのか。人と関わるとき、どんな傾向があるのか。相手は自分とは異なる感じ方や考え方をしているのかもしれない。
こうしたことを知ると、これまで当たり前だと思っていた自分の考え方や、理解しにくかった相手の言動を、違う角度から見られるようになります。
自分の傾向を知れば、困ったときの対処法や、人との関わり方を考える手がかりになります。相手の特徴や感じ方を知れば、これまで理解しにくかった言動についても、別の見方ができるかもしれません。
もちろん、理解したからといって、すべての問題が解決するわけではありません。それでも、関わり方を考えるための選択肢は増えていくでしょう。
子どもの個性を認めることで、見えてきたこと
こうした考え方は、子育てにもつながっています。
親は子どもの幸せを願うからこそ、「こうなってほしい」「こうしたほうがいい」と考えます。私自身も、子どもに対して、こうあるべきだという固定観念を持っていたことがあります。
けれども、親が理解しやすいことや、親が望む姿が、必ずしもその子に合っているとは限りません。
子どもと自分の違いを受けとめ、その子らしさを尊重した関わりを持つようになってから、子どもは私の想定を超えた個性を発揮し、のびのびと成長していきました。
親があらかじめ思い描いた成長の道筋だけが、その子の可能性ではないのです。
こうした経験から、人を理解することは、自分の知っている枠組みに当てはめることではないのだと感じるようになりました。理解しようとすることは大切ですが、どれだけ理解を深めても、自分にはわからない部分が残ることもあります。だからこそ、自分の理解できる範囲だけでその人を判断せず、わからない部分も含めて、まずその人らしさを受けとめることが大切なのだと思います。
自分を知ることも、人を知ることも終わらない
人との関係は、相手を理解したらそれで終わり、というものではありません。
自分自身も変わっていきますし、相手も変わっていきます。親子の関係も、パートナーとの関係も、上司と部下の関係も、時間とともに変化していきます。
だからこそ、そのときどきの自分や相手を知り、必要に応じて関わり方を変えていくことが大切なのではないでしょうか。
私自身、自分を知ることで、自分自身に対する見方が変わりました。周囲の人たちとの関係性の受け止め方も変わり、それを受けての行動も少しずつ変わってきました。
人を尊重し、認め合うことは、関係づくりのゴールではなく、出発点です。そこから互いへの理解が深まり、信頼関係が生まれ、新しい可能性が広がっていく。そして、人との関わりを通じて、自分自身も成長していくことができます。
この探究には、終わりがありません。だからこそ、面白いのだと思います。
自分や周囲の人について、これまで気づかなかった一面を知ることができたら、日々の人間関係も少し違って見えるかもしれません。
皆さんも、自分を知ること、人を知ることから始まる探究を、一緒に楽しんでみませんか。
ジャパンラーニング 大須賀 晴子
EQコラム
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EQとは何か
「JapanEQ」とは何か
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「Japan EQシステム」
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